【 申告書作成 】 ② 第10表の作成:退職手当金等について
申告書の作成手順について書いています。
この記事は、第10表(退職手当金などの明細書)の作成について、です。
相続税の申告書には、第1表から第15表までの書式があります。
でも、第1表から順番に記入していくのではありません。
国税庁が公開している「相続税の申告のしかた」という小冊子によると
下図のように、はじめは「第9表」から作成を進めていく、とのこと。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku/shikata-sozoku2018/pdf/05.pdf
被相続人の死亡にともない退職手当金や功労金などの支給があった場合には
第9表につづいて第10表も作成していきます。
参照:
www.souzokuzei-jirikisinkoku.site
被相続人が会社等にお勤めしていた場合、
死亡にともなう退職として退職手当金や功労金などが
お勤め先から支給されることがあります。
退職手当金や功労金といったお金は、
お勤めをしていた被相続人に対して支払われるものです。
が、支給される本人(=被相続人)は残念ながら亡くなっているわけで、
実際に受け取るのは相続人のどなたかになると思われます。
被相続人が亡くなった時点では所有していなかったお金ではありますが、
これらのお金も相続税の課税対象とされています。
第10表は、以下のような書式になっています。
第10表 退職手当金などの明細書(平成21年4月分以降用) PDF/392KB
第10表の内容と書き方について見ていきます。
① 支給される退職手当金や功労金などについて、表に記入。
② 控除額(非課税限度額)を計算。
たとえば、法定相続人が「 3人 」だったら
500万円 × 3人 = 1,500 万円
〔 第2表のAの法定相続人の数 〕の欄には、 「3 (人) 」
右側の「A 円」の欄には、 「 15 (,000,000) 」と記入。
③ 退職手当金等を受け取った相続人それぞれについて、
非課税金額と課税金額を記入。
(1) 左の欄に、「退職手当金などを受け取った相続人の氏名」を記入
(2) 左から2番目「受け取った退職手当金などの金額」の欄(①)に、相続人ごとの、受け取った退職手当金の金額を記入
(3) 左から3番目「非課税金額」の欄(②)に、相続人ごとの非課税金額を算出して記入
(4) 右端「課税金額」の欄に、 課税金額を算出し〔 ①の金額 − ②の金額 〕 記入
たとえば…
ここまでの流れをふまえて、次のケースについて第10表を書いてみたいと思います。
(例)
・法定相続人:3人
・支給を受けた退職手当金等の額:2,500万円
山田一子さん 2,000万円
山田一太さん 500万円
→〇〇株式会社(東京都●●区☆☆町1-2)より令和元年5月24日に受取。
山田一美さん 0万円
上記のような場合、各項目を第10表に記入していくと、下記のようになりました。
なお、死亡退職金や功労金のほかに、
お勤め先から「弔慰金」なるものが支払われることがあるかもしれません。
この弔慰金に関しては、非課税になる場合と課税対象になる場合とがあるとのこと。
弔慰金の支給があった場合には、申告書にどのように記載すればよいか、
シロウト判断してしまわずに、
税理士さんや税務署の職員さんなど専門家に確認することをおすすめします。
ちなみに、わがやの場合ですが、
故人が亡くなった時点では既に会社は退職しており、退職手当金等の支給はありませんでした。
そのため、第10表の作成は割愛しました。
次は、「しょうたく」こと「小規模宅地等の特例」に関わる
「第11・11の2表の付表1〜4」について書きます。
関連記事
退職金は相続税の対象になるの? (第10表 退職手当金などの明細書)