【 申告書作成 】 ① まずは、第9表の作成を
申告書の作成手順について書いています。
この記事は、第9表(生命保険金などの明細書)の作成について、です。
生命保険金などの支払いを受けた場合には、この第9表を作成します。
我が家の場合も、亡き母ががん保険を契約していて、そこから死亡保険金が支払われたために、第9表を作成し他の書面と一緒に税務署へ提出しました。
相続税の申告書を作成する順序
相続税の申告書には、第1表から第15表までの書式があります。
でも、第1表から順番に記入していくのではありません。
国税庁が公開している「相続税の申告のしかた」という小冊子によると
下図のように、はじめは「第9表」から作成を進めていく、とのこと。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku/shikata-sozoku2018/pdf/05.pdf
相続にあたって生命保険金などの保険金の受け取りがあった場合には
まず、この第9表から作成していきます。
わがやの場合も、生命保険金の受け取りがあったので第9表から作成しました。
参照:
www.souzokuzei-jirikisinkoku.site
第9表は、このような書式になっている
第9表には、生命保険金などの明細を記入します。
保険会社の名称・所在地や受け取った相続人氏名・金額などを書き入れていきます。
第9表 生命保険金などの明細書(平成21年4月分以降用) PDF/392KB
第9表の作成手順
わたしが第9表を作成したときの手順をご紹介すると、おおよそ次のとおりです。
① 受け取った死亡保険金について、表に記入。
② 控除額(非課税限度額)を計算。
わがやの場合、法定相続人が「 2人 」だったので
500万円 × 2人 = 1,000 万円
〔 第2表のAの法定相続人の数 〕の欄には、 「2 (人) 」
右側の「A 円」の欄には、 「 10 (,000,000) 」と記入しました。
③ 死亡保険金を受け取った相続人それぞれについて、非課税金額と課税金額を記入。
(1) 左の欄に、「保険金などを受け取った相続人の氏名」を記入
(2) 左から2番目「受け取った保険金などの金額」の欄(①)に、相続人ごとの、受け取った保険金の金額を記入
(3) 左から3番目「非課税金額」の欄(②)に、相続人ごとの非課税金額を算出して記入
(4) 右端「課税金額」の欄に、 課税金額を算出し〔 ①の金額 − ②の金額 〕 記入
たとえば…
ここまでの流れをふまえて、次のケースについて第9表を書いてみたいと思います。
(例)
・法定相続人:3人
・保険金の額:2,000万円
山田一子さん 1,000万円
→〇〇保険株式会社(東京都△△区●●町1-1)より令和元年5月20日に保険金を受取。
山田一太さん 500万円
→■■生命保険株式会社(東京都▲▲区●●町2-1)より令和元年5月27日に保険金を受取。
山田一美さん 500万円
→☆☆保険株式会社(東京都△△区◎◎町5-4)より令和元年5月24日に保険金を受取。
上記のような場合、各項目を第9表に記入していくと、下記のようになりました。
保険金を受け取った相続人が一人の場合は、比較的迷わずに記入していけるかもしれません。ややこしいのは、複数の相続人が受け取っている場合です。
相続人全体の控除額(法定相続人×500万円)は、たとえば、上の例なら1,500万円になるわけですが、その大半を一子さんに費やして、
一子さん … 非課税金額 1,000万円 (課税金額 0円)
一太さん … 非課税金額 250万円 (課税金額 250万円)
一美さん … 非課税金額 250万円 (課税金額 250万円)
上記のように非課税金額を割り振ることはできないのだそうです。
非課税金額を按分する(割り振りする)比率は、相続人の都合や希望で自由に定める…ということはできず、受け取った保険金の金額(割合)に応じて按分(割り振り)をする必要があるのですよね。
一子さん : 一太さん : 一美さん = 1,000万円:500万円:500万円
= 2 : 1 : 1
→ 控除額 1,500万円を上記の比に応じて按分(振り分け)すると、相続人ごとの控除額は
一子さん 750万円
一太さん 375万円
一美さん 375万円
となり、全員が非課税金額を超える分について課税されることになるのかな^^;
なお、相続人のなかに、相続放棄をした方や養子にあたる方がいる場合には、
記入にあたって特別に注意が必要なことがあるのだそうです。
正確な内容で申告をするためにも、必ず税理士さんに確認するようにしてくださいね。