【評価方法】終値の、月の平均額を調べる方法
ある月の、株式の終値平均額を調べたいとき、月間相場表を参照するのが便利です。
亡くなった方が遺した財産に株式(上場株)があり、相続税の申告が必要な場合、
それらの株式がいくらになるのか、評価額を算出する必要があります。
どの証券会社の口座で保有しているか、わかっている場合には
直接、証券会社での相続手続きにあわせて「残高証明」を発行してもらうのが
早いし確実です。
ただ、証券会社によっては評価額の証明を出さないところもあるとのこと。
その場合、相続税の申告をする人が自分で調べて額を出さなければなりません。
上場株式の評価額を出すには、次の①〜④の額を調べます。
そして、その4つの中で最も低い額を評価額にします。
ここでは、②〜④
ある月の終値の平均額を調べる方法についてみていきます。
【 ある銘柄の、ある月の終値平均額の調べ方 】
例えば、2022年12月20日に亡くなった方が、ビックカメラの株式を持っていた場合
① 調べたい銘柄の銘柄コードを調べる。
Yahoo! ファイナンスの検索窓に銘柄名(ここでは「ビックカメラ」)を入力し、検索する。
↓ ↓ ↓
検索結果が表示される。
② 月間相場表で、該当する月の「株式相場表」を開く。
③ 株式相場表の、該当する銘柄コードを探し、「終値平均」の欄を調べる。
ちなみに、上の例にある1271円41銭(1271.41)のように
端数は切り捨てます。 ←※「上場株式の評価明細書」の「記載方法等」参照
したがって、「2022年12月の終値平均は、1271円」になります。
④ 同様に、2022年11月と、2022年10月についても調べます。
● 2022年11月
2022年11月の終値平均は、1180円25銭。 →端数を切り捨てて、「1180円」
● 2022年10月
2022年10月の終値平均は、1205円95銭。 →端数を切り捨てて、「1205円」
⑤ 相続開始日の終値も確認。
ちなみに、2022年12月20日の終値は 1,256円 でした。
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ここまで調べてきたことをもとに、①〜④の額をまとめます。
⑥ 4つを比較し、評価額を出す。
①から④のうち、最も低いのは ③の1,180円 です。
したがって、今回、例としてあげた
「相続開始日:2022年12月20日、銘柄:ビックカメラ」の場合
1株あたり1,180円 になります。
「上場株式の評価明細書」に記入してみました。
↓ ↓ ↓
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⑦ 合計額を出す。
ここまで計算してきて出した評価額は、「1株あたりの評価額」になるので、今度は合計額を出します。
1,180(円) × 2,000(株) = 2,360,000(円)
これを、相続税申告書の第11表(相続税がかかる財産の明細書)に記入してみました。
↓ ↓ ↓
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上場株式の評価方法について、わたしがやった方法をご紹介しました。
こちらは、2023年1月26日現在での情報です。
評価基準や方法などが、改定されることがあります。
相続税の申告書を作成する際には、必ず国税庁のサイトで確認くださいますようお願いします。
※相続財産の評価方法については、p.13「(3) 相続財産の評価のあらまし」に記載があります。上場株式の評価方法については、p.15「ホ 上場株式 」をご参照ください。
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