シロウトに相続税の申告書作成は可能なのか

相続税の申告書を、経理の知識・経験はもとよりエクセルのスキルもろくに持ち合わせていなかったシロウトが8か月をかけて作成し、所轄の税務署へ提出。その経験をとおして知ったことや感じたことを綴るブログ。

シロウトに相続税の申告書作成は可能なのか

【評価方法】投資信託がある場合

 

この記事では、亡くなった方(被相続人)が投資信託保有していた場合にそれらを評価する方法について書いています。

 

投資信託には、3種類の評価方法が設けられています。

どの評価方法を使えばよいのか、具体的にどのようにして評価額を出していけばよいのか、調べてみたら少し(どころでなく)複雑…。

 

 

ここでは、投資信託の評価額を出すために、何をどう調べ、どのように計算したらよいのか、

税の専門家ではない、まったくのシロウトであるわたしの目線から、ではありますが、難解な専門用語を読み解きつつ、手順のひとつひとつを確かめながら、書いていきたいと思います。 

 

  

 

 

 

 

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投資信託の評価方法は、3種類

 

被相続人が持っていた財産のなかに投資信託がある場合、これらについても国税庁が定めている評価方法を用いて評価額を出します。

No.4644 貸付信託・証券投資信託の評価|国税庁  

 

 

具体的にどう評価を出すかというと、被相続人保有していた投資信託が次の3つのどれにあてはまるかを確認し、それぞれについて定められた評価方法を使って評価額を出します。

 

① 日々決済型の投資信託の場合(MRFMMF中期国債ファンドなど)

② 上場されている投資信託の場合(ETFなど)

③ (上記以外の)一般的な投資信託の場合 

 

 

まずは、残高証明書の発行手続きを

 

投資信託の評価をするうえで、まずはじめにしておきたいことは、残高証明書を発行してもらうこと。

残高証明書は、被相続人投資信託を購入した販売会社に発行を依頼します。

 

 

 

被相続人が亡くなったことを連絡し、あわせて死亡年月日時点での残高証明書を発行してほしいということを販売会社へ伝えます。

 

 

投資信託の販売会社は、証券会社だけではありません。ETFと呼ばれる投資信託を扱うのは証券会社だけなのだそうですが、それ以外の投資信託の場合、銀行や郵便局(ゆうちょ銀行)でも取り扱われるものがあるのだとか。

 

 

被相続人投資信託が、どこで買ったものなのか。

不明な場合には、被相続人宛に届いた郵便物のなかに「取引残高報告書」というものがないか、確かめましょう。

 

 

投資信託の販売会社がわからないときは

 

投資信託保有している人には、販売会社から「取引残高報告書」という書類が送られてきます。

この取引残高報告書をみれば、販売会社がどこか、どの銘柄の投資信託をどれだけ保有しているかがわかります。

 

 

しかし、取引残高報告書の発行は、郵送のほか、電子交付という場合もあります。その場合、郵便物で販売会社を確かめることは難しいかもしれません。

 

また、過去に送られてきた取引残高報告書を、既に廃棄してしまっていたりして、いくら探しても見つけ出すことができない、ということも。

 

 

もし見つからなった場合、

 

・新たに取引残高報告書が送られてくるのを待つ

被相続人のPCや携帯などを確かめる

ほふり証券保管振替機構)に「登録済加入者情報の開示請求」を行う

 

という方法をとることになるかと思います。

 

 

「登録済加入者情報の開示請求」とは

 

 

「登録済み加入者情報の開示請求」は、口座を開設している証券会社等の名称と、加入者口座コードを確認できる制度です。

 

通称「ほふり」とも呼ばれる、証券保管振替機構に申請をします。

相続人が、亡くなった方の口座について調査を求める場合、手数料は1件につき5,500円(税別)です。

 

このような通知が届くらしい。 → 開示結果の見本  

制度について、くわしくは こちら でご確認お願いします。

  登録済加入者情報の開示請求|証券保管振替機構  

 

この開示請求では、上場株式やETFの取引に使っている証券会社の口座が、確認できるようです。しかし、非上場の投資信託については確認できない、のだとか。

 

手数料がけっしてお安くはないので、気軽に使える手段ではないかもしれませんが、販売会社を探し出す方法のひとつとして選択肢にもっておくと役立つ(ときもあるかも?)…かと思います。

 

 

 

残高証明書が届いたら、上場しているかを確認

 

投資信託の販売会社(証券会社、銀行など)から残高証明書が届いたら、投資信託の銘柄名を確認しましょう。

 

銘柄名のなかに「MRF」や「MMF(外貨MMF)」の記載があれば、評価方法①に挙げた「日々決済型の投資信託」だと判断できる、とのこと。

その場合には、①の評価方法で評価額を出します。

 

 

また、銘柄名のなかに「ETF」「上場」の記載がある場合。②の「上場されている投資信託」と予想し、4ケタの証券コードが設定されているかを確認します。

 

証券コードがあるものは、上場されている投資信託

証券コードが設定されていないものは、その他の(一般的な)投資信託

…として、評価額を出していきます。

 

 

ちなみに、証券コードがあるかどうかは、yahoo! ファイナンスで、銘柄名(投資信託の名称)を調べても確認できます。

 

  上場されている投資信託(例)

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  (そのほかの)投資信託(例)

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評価額を算出する

 

被相続人保有していた投資信託が以下のどの種類にあてはまるかがわかったら、いよいよ評価額の算出です。

 

① 日々決済型の投資信託の場合(MRFMMF中期国債ファンドなど)

 

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https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4644.htm より

 

 

② 上場されている投資信託の場合(ETFなど)

 

上場されている投資信託は、上場株式と同様の評価方法で評価額を出します。

 

評価方法については、こちらをご参照ください。

www.souzokuzei-jirikisinkoku.site

 

 

③ (上記以外の)一般的な投資信託の場合 

 

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https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4644.htm より

 

 

 

 

 

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